就労移行支援とは?
そのしくみについて解説します
あうあわないがあるから
事業所選びをお手伝いします
かならず見つかる
ぴったりの事業所を探そう

就労移行支援事業所とは?

就労移行支援は、障害者総合支援法に定められた障がい福祉サービスのひとつです。

障がいのある方が就労に向けたトレーニングを行い、働くために必要な知識やスキルを習得し、就職後も職場に定着できるようサポートを行います。

現在、全国に3,000を超える就労移行支援事業所があり、就労移行支援が利用できる期間は最大2年間と決まっています。

利用できる期間である2年間であれば、就労移行支援事業所を変更することもできますが、できれば継続して同じ事業所から支援を受けたほうが就職へのステップも明確になりやすいです。

事業所は半日だけ、週に数回の利用からできます。その期間も含め2年間の利用となります。

利用できる期間が決まっているから失敗したくない!

このページでは、続けられる事業所選びのポイントを紹介しますよ!

就労移行支援事業所の選び方の前に、就労支援事業所とはどんなところなのか?利用できる人はどんな人なのかを簡単に確認しておきましょう。

就労移行支援事業所でできること

就労移行支援事業所は、障がいを持った方が一般企業などへ就職できるように支援する福祉サービスを提供する施設です。

精神障害を患い長年引きこもっていた、身体障害や知的障害などがあり自分に適した職がわからない・・・など

働くために準備したい障がいを持つ方のための福祉サービスを提供してくれます。

就労移行支援事業でできること
  • 生活リズムを整える
  • 希望する就職に必要な知識とスキルを身につける
  • 履歴書や応募書類の添削、模擬面接などの就活サポート
  • 利用者の適性に合った職場探しやアドバイス
  • 就職後の職場定着をサポート

就労移行支援を利用できる人

就労移行支援を利用できる人
  • 身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病など障がいを持っている方
  • 18歳以上65歳未満の方
  • 一般企業へ就職を希望している方

障がい者手帳を持っていないと利用できないの?

障がい者手帳を持っていなくても利用できる場合があるからまずは自治体や就労移行支援事業所へ相談を!医師や自治体の判断により利用ができる場合があります。

障がいを持っていなくても、今まで生きにくさや働きにくさを感じている方もいるのではありませんか?

40代・50代になってから自分が発達障害だったと知る方も多いのです。

自分を知り、自分を生かすことができる職場を見つけ長く働くために、障がい者手帳の有無に限らず相談をしてみることをお勧めします。

就労移行支援の利用がおすすめできない人

「就労移行支援を利用すれば就職先が見つかる」と思っている人は利用しないほうがいいでしょう。

就労移行支援は仕事を紹介してくれるところではありません。就職をするためのサポートを受けるところです。

就労移行支援ではPCスキルなどを学ぶこともできます。

また生活リズムを整える、ビジネスマナーを学ぶという内容も含まれます。

規則正しい生活ができ、自分だけで就職活動ができる人には物足りなさを感じてしまうかもしれません。

就労移行支援サービス利用中はアルバイトを含めた就労は基本的にできません

つまり、蓄えがある、家族の金銭的なサポートがある、障害年金や失業保険などがある、という場合でなければ利用は厳しいでしょう。

就労移行支援では、ある程度時間をかけて就労に向けて訓練をしていきますので、その間の金銭的な問題を解決しておきましょう。障害年金や生活保護などを受給できる場合もあります。

まずは自治体の福祉窓口や気になる就労移行支援事業所に問い合わせしてみることをオススメします!

就労移行支援事業所の利用ステップ

就労移行支援を利用するための手順、利用後の流れなどを確認しておきましょう。

STEP
就労移行支援事業所探し

就労移行支援を利用するには、まず就労移行支援を行っている事業所を探します。

相談事業所や病院、自治体の福祉課などで紹介をしてもらえる場合もありますが、ネットなども利用してご自分でも事業所を探してみましょう。

就労移行支援を行っている事業所はたくさんあります。自分の希望や雰囲気にあった事業所を選びましょう。

STEP
見学・体験入所

気になる就労移行支援事業所が見つかったら、問い合わせをして見学をしましょう。

見学をして気に入ったら体験利用をします。実際に体験利用することで、事業所の雰囲気、自分に合っているかどうかなどが確認できます。

できるだけ複数の事業所で見学・体験入所をしましょう。事業所を途中で変更することもできますが、就労移行支援を利用できるのはトータル2年間という短い期間です。変更しないことが理想です。

STEP
障害福祉サービス受給者証の申請

利用する事業所が決まったら、住んでいる自治体の福祉窓口に受給者証の申請を行います。

申請方法などは就労移行支援事業所でサポートしてくれるので心配なく!

STEP
就労移行支援の利用

受給者証の発行のあと、就労移行支援事業所と契約を交わし利用をスタートします。

就労移行支援事業所では、就労に向けたスキルアップ、就職活動のサポートなどを受けます。

就労移行支援利用中は個別支援計画に基づき、個々に合わせた支援を受け就職に向けて活動をします。

目標である一般就労が決まるよう支援を受けます。

STEP
就労定着支援

就労が決まった後は安定的に働き続けられるように定着支援を受けることになります。

就労移行支援を利用した場合、利用していた事業所が定着サービスも継続して行ってくれることが多いです。

訓練から就職、定着まで通してサポートしてくれるのは就労移行支援を利用するメリットの1つになりますね。

就労移行支援事業所の選び方のポイント

就労移行支援事業所を選ぶときに確認をしたい5つのポイントをご紹介します。

  • 家からの距離と交通費
  • 交通費やランチの女性
  • プログラムや訓練の内容
  • 事業所の雰囲気やスタッフ
  • 就労実績

家からの距離と交通費

就労移行支援は自宅やグループホームなどから通いながら受けるサービスです。

通勤に無理があると通えなくなってしまう可能性もありますので、無理のない範囲内であることを確認しましょう。

通勤時間、混雑具合なども考慮したいね。

また、交通費の負担も大きくなってしまわないように、助成の有無なども併せて検討しましょう。

自治体や事業所によっては交通費の助成があるところもありますが、ない場合もあります。

交通費やランチの助成

事業所によっては、自治体からの交通費助成分との差額の支給、ランチの助成があります。

スクロールできます
事業所名交通費助成ランチ助成
リタリコワークス××
ウェルビー×
ココルポート
大手事業所の比較

交通費・ランチ代の助成の詳細は必ず各事業所へ確認してください。助成の条件や上限があります。

交通費やランチ代の助成も事業所選びのポイントの1つになりますね。でも、そればかりではありませんので複数の事業所を見学して利用する事業所を決定しましょう。

プログラムや訓練の内容

就労支援は就職に必要なことをサポートします。具体的な内容は各事業所によって異なりますが、例えば以下をサポートします。

  • 規則正しい生活などの生活管理に関する相談
  • 履歴書の作成
  • 面接の同行
  • 就職活動に関する相談

職業訓練では就職するために必要なスキルを修得します。

  • ワード、エクセルなどのPCスキル
  • ビジネスマナー
  • ビジネススキル
  • ソーシャルスキルトレーニング
  • プログラミングスキル

これら以外にも事業所によっては専門的なスキルなどを身につけることができます。

プログラムや訓練内容は事業所ごとに違うから、自分が身につけたいと思っていることに対応している事業所を選びましょう。

例えば、グラフィックデザイン関係の仕事にフォトショップやイラストレーターなどが学べないのは残念ですよね。

就労移行支援の事業所によっては、訓練らしい訓練を行わずに1日が終わってしまうというところもあるようです。

安定的に通所ができるようになったら、実践スキルを身に着けたいですね。興味のあることが訓練できる事業所を選ぶことをお勧めします。

事業所の雰囲気やスタッフ

就労移行支援事業の雰囲気はとても大切です。

事業所のスタッフもスーツを着ている事業所もあれば、カジュアルな服装がOKな事業所もあります。

利用者さんもスーツで通所という事業所もあるようです。

また、どんなスタッフがいるのか?というのはとても大切なチェックポイント。就労移行支援事業所ではこのような方がスタッフとして働いています。

  • サービス管理者
  • 福祉資格を持った管理者
  • 生活支援員
  • 就労支援員
  • 職業支援員

事業所によっては精神保健福祉士、作業療法士、臨床心理士などの国家資格を持った支援員がいて専門的なサポートを受けられますが、福祉以外の仕事をしてきたスタッフもいます。

その他のスタッフを含め、安心して相談できそうなスタッフがいるかどうかも大切です。

他の利用者さんの人数や雰囲気も見ておきたいね。

就労移行支援は体験入所ができるので、見学後に気に入ったら必ず体験入所をしてみましょう。

就労実績

就労支援事業所を利用していた方がどのようなところに就職をしたのかなども確認しておきましょう。

オープンしたばかりの事業所や、受け入れ人数が少ない事業所は実績が少ない場合もありますが、就職先と継続して勤務できているかどうかなどもできるだけ確認をしておきましょう。

就労移行支援事業所選び オススメは大手事業所の見学から!

利用をする就労移行支援事業所はできるだけたくさん見学・体験をしてから決めるのがオススメ!

就労移行支援事業所はたくさんありますが、まずは大手の事業所から問い合わせ・見学をしましょう。

大手事業所を見学すると、ご自分の中でも基準が見えてくるはずです!

リタリコワークスやココルポートなどの大手を利用してみよう!ということならそれでOK!

でも、もっと家から近くがよい・・もっとアットホームな事業所が良いなどあれば、障害福祉サービス情報検索などを使ったり、自治体や医療機関で事業所を紹介してもらいましょう。

就労移行支援は意味がない?利用した人の評判・口コミは?体験談も。

就労移行支援事業所を利用しても意味がないのでは?などと考え利用をためらっている方もいるかと思います。

当サイトでは実際に、就労移行支援を利用された方の体験談をいただきましたのでぜひ参考にしてください。

体験談 44歳 女性

30歳を過ぎた頃に勤めていた会社で、オーバーワークを起こし、気が付くと眠れない状態になっていました。 心療内科を受診したところ、うつ病にり患しており、その後、3か月の休職をして退職しました。それから4年間、全く働くことも家事をすることもできずにいました。 体調が少しずつですが、安定してきたのを見計らい、自分の障がいを理解してもらいつつ、仕事ができるところはないか、また、フルタイムではなく徐々に仕事をできるような場所はないかと思い、就労支援を紹介してもらいました。

●就労移行支援内での生活

私が行っていたことは、教室のパソコンで好きなものを好きなように扱ってよいといわれ、ノルマや課題はありませんでした。 もともとOAのインストラクターをしていたため、正直他の利用者の方にパソコンを教えていたような状態でした。 ゲームのやり方やエクセル・ワードの使い方を教えつつ、自分はillustratorでイラストを起こし、時間を掛けて作品を作っていました。 あとは、週に一度フラワーアレンジメントの時間があり、造花を用いて、髪留めを作ったり、花束を作ったりしていました。 食事も一日130円程度の負担でよかったため、作業料から差し引きできたため、自分で手出しするのは、作業所へ通うための燃料代くらいでした。 就労支援では、とにかく自分で自立しなきゃいけないなと感じました。そのまま埋もれていたら、今の私はなかったように思います。 自分を変える・社会に復帰するという気持ちを持てたことは、少なからず、通所してよかったと思っています。 ただし、そこで一生過ごすのか、それとも社会復帰して障害者枠で働くかを決めるのは自分自身。

●就労移行支援選びのポイント

就労支援といいながら、支援をしてくれたことは一度もありませんでした。 自分でハロワの求人を見て、自分で履歴書を書いて面接して、就職が決まって、卒業という感じです。 もともと、行きたかった就労支援の施設があったのですが、そこが自宅から一時間以上かかるため断念しましたが、後々聞くと、とてもよい事業所で、一日の日課や、一か月の目標、就労支援にすごく力を入れているところだとわかりました。 就労支援を選ぶ際に必要なことは、何度でも面倒でも、そこが自分に合っているか見学に行くことです。 現在、障害者として仕事をしていますが、正直なところ、もう就労支援を頼ろうとは思いませんし、自分が経験したからこそ、もし、どん底にいてもがいている人がいれば、一度行ってみたらよいと思います。 私自身が、自分のリズムをとることができるようになったため、引きこもったりしている人は一度行ってみて下さい。 卒業するころには、もう自分には必要のない施設だということがわかると思います。

体験談 47歳 男性

周囲からは真面目とか頑張り屋という評価をもらっていた私ですが、確かに仕事には熱心に取り組み上司の指示にも忠実でした。 周りからは優秀な社員として見られていましたが、逆の捉え方をすれば自分の意見がなく知らない間に頑張りすぎる性格でした。 順調な日々を送っていると思われがちですが、気付かないうちに心身の疲労は溜まっていき出勤するのがおっくうになっていきました。 しだいに仕事だけでなく、日々の生活にも活力を失っていきました。 精神科を受診するとうつ病という診断を受け、休職して復職を目指しましたが、最終的には退職することになりました。 自宅で療養をしていましたが、人と関わりを持ちながら無理なく社会復帰を目指そうと思い就労移行支援を利用しました。

●就労移行支援での日々

就労移行支援では、スタッフが中心となって社会復帰へ向けて様々な指導をしてくれます。 職業訓練としてはパソコンのスキルを学んだり、簡単な軽作業をして作業能力の向上を図ります。 時期が進むにつれて、面接の練習や履歴書の書き方など就職に必要な技能を学んでいきます。 一般就労の経験があるため内容は理解していましたが、病気のため意欲を失っていたため気力の回復という点では有効な方法でした。 また、おやつ作りや花見などの外出レクもあり、心をリフレッシュさせることもできました。 スタッフだけでなく同じ立場の仲間と触れ合うことで、孤独感は薄らぎ円滑な人間関係の構築につながりました。 社会復帰が可能な状態になってくると、就職先のことでスタッフが相談に乗ってくれます。 自分の適性や希望の職業について一緒に考えてくれ、必要であれば職探しを手伝ってくれます。 時にはハローワークに同行してくれたり、スタッフが個人的に求人を探してくれたりします。 私は障害者雇用枠で、自動車部品の製造会社に就職することができました。 社内では障害者への理解が深いようで、精神的な負担をかけないような対応を心がけてくれました。 そのため、以前のように慌てることもなく、自分のペースで仕事を進められるという点で精神的な安定につながっています。 一方で、うつ病という目に見えない心の病であるため、労働時間を短めに設定されたり仕事内容も軽易なものにされます。 その対応には感謝しますが、物足りなさを感じてしまうこともあります。

●就労移行支援の良い点と悪い点

障害のために日常の生活や仕事に関して悩んでいる人が通所しているため、スタッフは優しく悩み事に耳を傾けてくれます。 人に話しにくいことでも、別室で時間を十分にとって話を聞いてくれます。 決して否定することなく言い分を聞いてくれるので、話している立場としてはスッキリした気分になり安心感を手に入れることができます。 就労に向けても焦らせることはなく、性格や能力に合わせて進めてくれます。 同じような悩みを持つ仲間たちと時間を共有することで、自分の居場所になり心の活力につながります。 一方で、社会復帰への道筋は、基本的にスタッフが決めた計画によって進められます。 自分では就職できる段階だと判断しても、スタッフに引き止められることもあります。 もちろん、ゆっくりと無理をさせないという心遣いではありますが、自分ではできると判断しているのに止められるのは疑問に感じてしまうこともあります。

●障害者であっても社会復帰は可能

障害者という理由だけで、社会復帰を諦めてしまうことは非常にもったいない選択です。 確かに障害の種類によっては仕事の内容が制限されてしまうことはありますが、必ず障害に見合った仕事はあるはずです。 仕事を始めると給料がもらえますから、その分を趣味に回すこともできますし経済的な自立にもつながります。 そうなれば気分も高まり自信もついてくるので、行動が積極的になってきます。 友人関係が広がるために自分の世界観は広まっていき、日々の生活に充実感を覚えられます。 仕事を始め社会復帰をすることはすべての面でプラスの方向に傾いていき、障害があるからと控えめになっていた心と行動の改善につながります。 ただ、病気の状態を一人で乗り切ることは難しく、病院をはじめとして周囲の人や専門家の手助けが必要になってきます。 一人で解決しようとすると焦ってしまったり、どう行動すれば良いか分からずに病状を悪化させる恐れがあります。 就労移行支援事業所では個々の事情に配慮しながら社会復帰の計画を立ててくれますし、そこには同じ目標を持った多くの仲間がいます。 それぞれに方向性は異なるかもしれませんが、社会復帰という共通のゴールを目指す仲間は大きな力になります。

体験談 28歳 女性

就労移行支援所の存在を一切知らなかった私が利用を始めたのは2015年の夏頃でした。 そもそも、私自身が障がい者であることに気づいたのは大学四年生の秋頃でした。 学生時代、いじめ・差別の日々が長く、大学でカウンセリングセンターに通っている内に耳にした「アスペルガー」という言葉。 それをきっかけに病院で検査して「広汎性発達障害」という診断結果が出ました。 就活も佳境のタイミングであったため、障害を隠して就活せざるを得ませんでした。 ようやく内定の取れた会社に新卒入社できましたが、半年弱でドクターストップがかかり、休職になりました。 休職している間は、とにかく何も考えられない状態でした。 母親は「今後どうするの?仕事するの?」と毎日尋ねてきて、姉には「ニート」と蔑まれてきました。 そんな環境から少しでも逃げるかのように、就労移行支援事業所を利用することに至りました。

●自分自身を見つめなおす

就労移行支援事業所を知ったのは、発達障害者支援センターでの面談でした。 自宅での母と姉の言葉、それを聞いて只々ツラい気持ちが募るばかりであることを相談したところ、障がい者が就職するために支援してくれる事業所があること、そういった国の制度があることを教えてもらいました。 通うことになった事業所は、普通の街中にある、普通のお店やオフィスが入っているビルの一室にありました。 そこでは就労に必要なビジネススキル、コミュニケーション方法、パソコンスキル等を学ぶ講座が行われていました。 また、講座は自由参加で、自主学習でマイペースに取り組むこともできました。 私は特に、行われていた講座で「自分自身を見つめなおす」テーマがあるものに意識して参加しました。 正直に言って、私は自分自身のことへの関心がほとんどありませんでした。 性格、考え方、物事の捉え方、何が好きで、何が嫌いか、身体的なことでは生理周期すら関心がありませんでした。 自分自身に関心を持っても、それが一体何なのか。自分自身のことを知ったところで、どうなるのか。 その先の思考をすることすら、当時の私は何も知りませんでした。 通所している内に「もしかしたら、自分自身を知ることで何か変わるかもしれない」と、心のどこかで思えるようになりました。

●配慮してもらう、ということ。

自分自身を見つめなおしていく内に、少しずつ自分の特徴が見えてきました。 「音や臭いに過敏であること」 「コミュニケーション能力は人並みにあること」 「パーソナルスペースに敏感なこと」 「パソコンでの入力はそこそこできること」 「人の好き嫌いが明解であること」・・・ ビジネスコミュニケーションやビジネスマナーについて知識が足りていないことに気づき、自主学習で補っていきました。 事業所には多くはありませんが、ビジネスマナーについての書籍等も置かれており、自由に読むことができました。 就労移行支援事業所に通っていて、一番学んだことは、実際に就活にあたって、「会社に配慮してほしいことを伝える」面接の練習での内容です。 ここで大事なポイントとして「配慮してもらうこと、ということ」についての話がとても重要に感じました。 「配慮してもらうということは、ワガママを伝えるのではなく、どうしても苦手なことに、有効な対処をしてほしい」ということです。 例えば、口頭だけで業務の指示を受けることが苦手だとします。 口頭だけだと、どうしても覚えきれないところが出てきてしまうといった特徴があるとします。 その場合、会社に配慮してほしいこととして伝えるとすると「業務の指示を下さる際には、メモを取りながら伺うので、ゆっくりお話ししてくださるように配慮していただきたいです」というような伝え方になります。 「ゆっくり話してほしい」と会社側へ配慮を求めるだけでなく、「メモを取りながら聞く」という自身で出来る限りの対処をするという姿勢が重要になる、という所が一番の学びでした。 就労移行支援事業所で良くなかったことを挙げると、事業所の部屋の狭さでした。 物理的に狭い環境に20~30人程度の大人が集まるため、テーブルとイスの間隔が窮屈でした。 昼食時は一斉に食事を取るため、食べ物の臭いが混ざり気持ち悪くなることがしばしばありました。 昼食時間の間、お喋りする方も多く、かなり騒がしさを感じることもありました。 事業所の方に一度だけ部屋の狭さについて伺ったことがあります。 国の制度ということもあり、予算的な問題で広い部屋を用意することが難しい、といった内容をおっしゃっていました。

●まとめ

私は就労移行支援事業所への通所を経て、ある特例子会社への就職に繋がりました。 現在、その会社に勤めてもうすぐ三年目を迎えます。 就職以降も仕事への定着のための面談が継続しています。 職場で起きた悩みを面談で伝え、会社と私の間に入る第三者機関として、事業所を頼っています。 就労移行支援事業所は数多くありますが、見学に行って色んなことを話してみることが大事だと思います。 一人で考えたり、悩んだところで確実に行き詰ってしまいます。 そんなときに自分の視点ではなく、他の人の視点(身内でもない、友人でもない、第三者の人)から意見をもらうことで、思っているよりも冷静に考えられるようになります。 就労移行支援事業所の利用を迷っていらっしゃる方は、一度だけでも訪問してみることから「スタート」してみてください。 これを読んでくださったすべての方に、幸多からんことを。

体験談 23歳 男性

私は小さい頃から足が悪く多少動かせはしますが、立てないため車椅子でずっと生活しています。 高校を卒業して職業能力開発校を卒業後に就職しましたが、自分の努力不足と悩みが発散できずストレスで仕事を辞めました。 それから自信が持てなくなり数年仕事をせずに過ごしていました。 それから親からの「まだ働かないの?」という声と自分の「そろそろ働かないと」という考えがありハローワークに通うようになりました。 ただ、私の住んでいる地域では障害者求人、それも身体で事務所が1階(もしくはエレベーターがある)で車椅子での仕事スペースが確保できている会社さんはほとんどありませんでした。 何か月もハローワークに通いましたが状況は変わらず、やむなしに引っ越しを考えました。 そこでハローワークから紹介されたのが就労移行支援事業所です。 引っ越し先での就職に向けて計画、さらには引っ越しする家などの相談も親身になって受けてくれました。(本当にありがたいです) そのおかげで今は引っ越しも済み、就労移行事業所に斡旋してもらった仕事場に通っています。

●就労移行事業所で学んだこと

・電話対応
私が最初に働いていた会社を辞めた理由の一番です。 私が通っていた就労移行事業所では事務を目指す人が多く職員さんが受ける電話とそのまま同じの電話を使い電話対応の練習をさせていただいておりました。 やることは電話を受けてどこの誰から電話が来たかを職員さんに引き継ぐだけでしたがかなり勉強になりました。

・人間関係
仕事でかなり大切な人間関係ですが就労移行事業所では様々な障害を持った方が集まります。(身体、知的かかわらずです) そこで声を出し合って自分のやりたいことを伝える練習をしました。 簡単なところでいうと「物を取りたいときに近くに人がいたら失礼します」や「通りたいのに前に人がいて通れないときに通りますと伝える」などです。 簡単なように思えますがかなり大切なことです。

・ストレス解消法
仕事が終わったら適度にストレス解消をしないと続きません。 私も最初の会社でこれといったストレス解消法がなくどんどんストレスが溜まっていました。 ストレスがたまったらどのようにストレス解消をするか考えます。 自分の趣味で「カラオケに行く」「ショッピング」に行く何でもいいです。 ただし、気軽にできるものがいいです。 滅多にできないことをストレス解消にしているとストレスが溜まったらすぐに解消ということが出来なくなるのでよくないです。

・生活リズム
ストレス解消法と重なる部分はありますが、寝る時間があまりに遅いと次の日の仕事に影響がでます。 そのために自分が仕事をしたとしてその勤務時間での生活時間を計算します。 「出勤が何時で、帰宅が何時、自分の取れる時間がどの程度でいつまでに寝ないといけないが」ということを簡単にまとめます。

・自分のしたいと思う仕事のスキルアップ
自分の目指す職業が事務であればExcel、Wordの練習問題があるので職員さんに聞きながら学ぶことが出来ました。 ただ1級ほどの問題は全然なかったので基礎をやるという人のほうが向いているかもしれません。 商品の品出しや裏の在庫確認をやりたいという人はピッキングを何人かで集まり声をかけながら練習することが出来ます。

●就労移行事業所に通うメリット

上記の就労移行事業所で学んだことを見ていただくと分かるのですが、仕事で使うことや私生活でも使えることがかなり学べると思います。 そのほかにも下記のようなメリットがあります。

就労移行事業所では独自の就職斡旋先をもっていることが多いです。もちろんハローワークにも出ない求人ばかりです。
私生活についても相談に乗ってくれます(職員さんにもよるかもしれません)。
就職後に会社で困っていることがないかを相談することが出来る。それが深刻であると就労移行事業所が仲介に入り自分が通っている会社に相談することもできます。
家にずっといるより体と頭を動かせる。ハローワークにいってもすぐに状況が変わることは少ないです。それならば少しでも体、頭を動かしなまらないようにするほうがいいと思います。

●就労移行事業所に通うデメリット

就職まで時間がかかる すぐに就職先が決まったという方がいるかもしれませんがなかなかそうはいきません。時間は年単位でかかるかもと思ったほうがいいと思います。
場合によってはお金がかかる 所得が少ない方はお金がかかることはありませんが所得が多い方はお金がかかってしまうので注意です。ただし所得が多い場合は就労移行に通うということがないと思うので気にしなくていいかもしれません。
自分のスキルが高い人は学ぶことが限られる可能性がある 私の通う就労移行事業所ではExcelもWordもそこまでレベルが高い問題はありませんでした。なので自分のスキルが高いと思う方は通っていてすぐに働けないもどかしさを感じるかもしれません。

最後に

就労移行事業所に通うデメリットはあまり見つけることが出来ませんでした。 通うメリットのほうが多いのでハローワークに行ってもなかなか仕事が見つからないという方は選択肢を広げる意味でも通ってみるのをお勧めします。 企業も就労移行事業所からの受け入れは何かと仲介に入ってくれるので安心するとも聞きます。 長い文章となりましたがご覧いただいてありがとうございます。 この文章で就職が決まる手助けになれば幸いです。