障がい者雇用の拡大にともない、働きたい障がい者と、障がい者を採用したい企業とを橋渡しする、障がい者向けのエージェントが増えています。
今回は、障がい者向けのエージェントについて、障がい者向けのエージェントを利用するメリットやデメリット、就労移行支援と併用できるかなどを確認していきましょう!
障がい者向けのエージェントを利用するメリット
障がい者向けのエージェントを利用すると下記のようなメリットがあります。
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- <メリット>
- 無料で利用できる
- 担当者がついてくれる
- 就職に特化したサービスなので結果が出やすい
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それぞれ詳しく見ていきましょう。
転職エージェントは無料で利用できる
障がい者向けのエージェントは、職業区分でいえば「有料職業紹介」という事業を行う民間会社です。
[st-kaiwa1]求職者と企業を橋渡しすることで、利益を得ている訳ですね。[/st-kaiwa1]
その利益は、いい人を紹介してくれたことに関する謝礼の意味で、企業がエージェントに紹介料を支払う形でまかなわれます。
そのため、求職者である障がい者は、無料で利用できるのです。
転職エージェントは担当者がついてくれる
障がい者向けのエージェントは、求人情報を閲覧できるだけのサービスとは異なり、登録すると担当のアドバイザーがついてくれます。
求職者の希望や適性に合わせた求人情報を紹介してくれます。
ちなみに、求人情報には、求人サイトなどで幅広く人材を募る「公開求人」と、企業が「特にこういう人材がほしい」という時に、つてをたどって人材を探す「非公開求人」があります。
エージェントはこうした非公開求人の情報も持っています。
[st-kaiwa1]つまり、一般的に公募していない求人もあるということです。[/st-kaiwa1]
転職エージェントの担当アドバイザーは非公開求人を紹介してくれる場合があるだけではありません。
応募書類や面接についてのアドバイスや、面接日の調整をはじめとする企業とのやり取りの代行など、就職活動に必要なさまざまなサービスを受けることができます。
就職に特化したサービスなので結果が出やすい
障がい者向けの転職エージェントが行うサービスは、民間会社によるビジネスです。
具体的には、求職者を企業に紹介して就職に結びつくと、企業から謝礼がもらえます。
なので、エージェントはみずからの利益のためにも、求職者が希望の就職ができるように努力してくれます。
結果的に、障がい者向けのエージェントは、さまざまな就労支援サービスの中でも、比較的短期間の内に、就職という結果が出やすいサービスといえるでしょう。
障がい者向けの転職エージェントを利用するデメリット
障がい者向けの転職エージェントを利用するにあたっては、下記のようなデメリットがあげられます。
[st-mybox title=”” fontawesome=”” color=”#757575″ bordercolor=”” bgcolor=”#E8EAF6″ borderwidth=”0″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=””]
- <デメリット>
- 今の職業能力が上がるわけではない
- 積極性が要求される
- 担当者と合わない場合がある
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それぞれ詳しく見ていきましょう。
今の職業能力が上がる訳ではない
障がい者向けのエージェントが行うのは、あくまで「職業紹介」なので、現在の職業能力に見合った求人を紹介してくれます。
応募書類の書き方や面接への臨み方など、就職活動についてのアドバイスはしてくれても、例えば、「IT技術の習得」などの職業訓練をしてくれることはないので、障がい者向けのエージェントに登録しても、今の職業能力が上がる訳ではありません。
積極性が要求される
障がい者向けのエージェントは、すでに就職に積極的な状況の方が利用するのに向いています。
「自分はこういうことが得意でこういう仕事に就きたい」という積極性があれば、エージェントも動きやすいです。
エージェントは、これから就職を考えたいという人に、カウンセリングなどを通じて、有益なアドバイスをしてくれますので、アドバイスをよく聞いて、就職活動につなげる積極性が求められます。
将来的に就職したいが今は体調を調整中である方は転職エージェントの利用は負担になってしまうかもしれませんね。
担当者と合わない場合がある
障がい者向けのエージェントの特徴として、担当者がつくということがあります。
障がい者の方は、障がいの状態や就職のニーズもさまざまですので、個別的に支援してくれるのは非常にありがたいことです。
しかし、それだけに、障がい者の方が自分に合った担当者と巡り合うのは、難しいかもしれません。
福祉関連の方と接することの多い障がい者の方であれば、障がい者向けエージェントのビジネス的な姿勢に、慣れない感覚を抱くこともあるでしょう。
転職エージェントは就労移行支援と併用できる?
障がいを持つ方は就労に向けて就労移行支援事業所を利用している方も多いですよね。
では、この就労移行支援と転職エージェント2つのサービスは併用できるのか?気になりますよね。
[st-kaiwa1]転職エージェントと就労移行支援は併用することはできます。[/st-kaiwa1]
障がい者向けのエージェントと就労移行支援との併用は、両者を併用してはいけないという決まりはないので併用は可能です。
ただ、障がい者向けのエージェントと就労移行支援との併用は可能とはいえ、障がいの状態や就職のニーズに応じて、使い分けた方がよいでしょう。
例えば、すでに職業能力が身に付いていて、より良い求人を探したいという方なら、障がい者向けのエージェントを利用するのが就職への最短距離です。
一方、これから職業能力を身に付けたいという方は、まず、就労移行支援を利用するのがおすすめです。
就労移行支援は、福祉サービスであるため、体調や心理面にも配慮しながら、比較的長期間にわたって職業訓練や就職活動支援を行います。
体調を整えながらじっくり職業能力を高めたいという方にはピッタリです。
[st-kaiwa2]生活リズムが整っていない、毎日出勤するのに難しさを感じるのであれば就労移行支援を利用しましょう。[/st-kaiwa2]
就労移行支援の中で職業能力を高め、いよいよ就職活動に臨むという段階になれば、障がい者向けエージェントの併用も考えてよいでしょう。
ただし、就労移行支援を利用しながら、障がい者向けエージェントの仲介で就職を決めてしまうと、それまでお世話になった就労移行支援のスタッフからのサービスを受けるのが難しくなってしまうなど、ややこしい事態も想定されますので積極的にはおすすめできません。
両サービスを兼ね備えた障がい者支援企業もある
障がい者向けのエージェントと就労移行支援とをうまく併用するのは難しいですが、両者の連携は可能で障がい者を総合的に支援することを目指す企業の中には、就労移行支援の部門と、障がい者向けエージェントの部門を両方持っている所もあります。
そういう所では、これから職業能力を身に付けたいという方には、まず、就労移行支援の部門に所属してもらい、職業能力が高まったら、障害者向けエージェントのノウハウを活用して就職活動を支援する、というサポート体制ができています。
そうした形であれば、就労移行支援のメリットと、障害者向けエージェントのメリットを、両方受けられますね。
例えば、就職・転職エージェント「atGPエージェント」は就労移行支援も行っています。
まとめ
転職エージェントは障がいを持つ方が就労を目指し行う就職活動の大きな支えになってくれることは間違いありませんね。
しかし、障がい者向けエージェントのサービスは、職業紹介に特化しているため、現在の職業能力に不安を感じる障がい者の方は、まず、就労移行支援を利用して、職業訓練を受けるのがおすすめです。
両者はサービスの特性が異なるので、うまく併用するのは難しいですが、最近は、就労移行支援の部門と、障がい者向けエージェントの部門を兼ね備える、障がい者支援企業も出てきています。
そういう企業が身近にあれば、就労移行支援と、障がい者向けエージェントを併用する形で、職業訓練をじっくり受けてから、就職活動をしっかりサポートしてもらう、ということができるかもしれませんね!