就労移行支援とは?就労継続支援とのちがいも解説します!

2012年(H24)に『障害者総合支援法』が制定され、国の支援により障がいを持つ方は就業に向けてサポートが受けられるようになりました。

「就労移行支援」とは『障害者総合支援法』に基づいたサービスの1つで、就労を希望している障害や難病がある方が働くための必要な知識や能力を身に着けるためのサービスです。

どんな障がいを持っていれば使えるんだろ?いったいここでは何をするの?

就労移行支援が利用できる条件や、何をするところなのかをざっくり確認してみましょう。

現在、障がい者手帳を持っている方はもちろん、働きにくさを感じている方も利用できる可能性があります。詳細を見ていきましょう。

目次

就労移行支援とは?どんなことをするの?

就労移行支援は、障がいをもつ方のための就職を支援してくれるサービスです。主に3つに分かれます。

  • 職業訓練
  • 就職支援
  • 定着支援

就労移行支援では就業に向けて必要な生活リズムや体調の整え方、その他仕事に必要なスキルを身に着けるための研修などを受けることができます。

就労移行支援では就労に向けて必要なスキルを身に着けるだけでなく、就労後のサポートも行ってくれます。

就職後も支援を受けることができるのも心強いね

障がいを理解してくれている人に不安や悩みなどを相談できるのは、仕事をするうえでも安心できるね。

就労移行支援の利用の流れ

就労移行支援を利用する際の流れを確認していきましょう。

STEP
利用したい就労移行支援事業所を探す

利用したい就労移行支援事業所を探します。

病院や相談支援事業所、自治体の福祉窓口、ハローワークなどで紹介をしてくれる場合もありますが、ネットなどを利用して自分で探すこともしてみましょう。

就労移行支援事業所は全国に約3,300ヶ所以上あります。大手事業所から小規模な事業所まで、自分に合った事業所選びが大切です。

問い合わせのあと、実際に作業所の様子を見にいくのは必須だよ。

見学をして気に入ったら、本当に自分に合っているか実際に体験利用してみよう!

見学時に事業所の説明を聞き、自分に合いそうであれば体験通所をしてみましょう。

事業所によって体験できる日数や内容などが異なりますので、見学時に確認をしましょう。

STEP
受給者証の申請・契約

通所する事業所が決まったら、受給者証の申請を行います。

住居のある自治体で手続きを行い、申請手続きが完了した後に事業者と契約をし利用開始となります。

申請方法などは就労移行支援事業所で説明があります。

通所する就業支援事業所の場所は限定されませんが、申請は住んでいる自治体で行います!

STEP
個別支援計画の策定(個別アセスメント)

就労移行支援の利用が決まったら、事業所では「個別支援計画」を作成します。

面談などで利用者の現在の状況や将来の希望などを把握し、利用者ごとに個別の支援計画を策定します。

就労移行支援は、利用者それぞれに応じた支援を行います。

周りの人と一緒のことばっかりするわけじゃないんだね。

個別支援計画は作成後に利用者への確認がありますので、自分にあっているかどうか確認しましょう。

3~6ヵ月単位で見直しが行われるので、その際にも自分の希望や現在の状況を伝えるようにしましょう。

STEP
事業所内や企業における作業や実習

個別支援計画が立てられれば、それに沿って職業訓練が行われます。

職業訓練の内容は様々で、作業所によりできる訓練が異なります。

利用する就労移行支援事業所を選ぶ時に自分が学びたい・身に着けたい訓練をしているかどうかも要チェック。

STEP
適性にあった職場探し

職業訓練を一通り終えたら、就職活動に向けた支援を受けることができます。

具体的には、利用者とともに求人を探したり、面接や履歴書の書き方について助言を受けることができます。

就労移行支援事業所は、ハローワークのように直接の職業紹介はできません。

ハローワークなどの職業紹介所に利用者をつなげることが、 就労移行支援事業所の役目です。

そのため、就職先を直接紹介してくれることはありません。企業規模の大きい就労移行支援事業所の場合、系列の就職斡旋サービスなどを利用することができるという例外もありますが、就労移行支援を利用した後の就職先は自分で見つけることになります。

STEP
就労後の職場定着のための支援

就労移行支援を利用したのちに就職できたとしても、それはスタートに過ぎません。

いざ働き始めると、業務内容や人間関係などでトラブルが起きたり、言いたいことが言えなかったりする状況が想定されます。そんな時、就労移行支援事業所は、元利用者と企業の間を取り持って、業務環境の調整を行うことができます。

就労移行支援事業所の利用期間後のサービスとなりますので、定着支援の有無・内容・期間は、事業所によって異なります。

就職後は利用をしていた事業所のスタッフが職場を訪問したり、企業の担当者と面談をして支援をしてくれます。

就労移行支援サービスを受けることができる人

就労移行支援サービスを受けることができるのは下記に該当する人です。

  • 18歳以上65歳未満
  • 身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病のある人
  • 一般企業へ就職を希望している人

就労移行支援は障がい者手帳を持っている人は利用できますよ。

障がい者手帳を持っていなくても、医師や自治体の判断により利用できる場合もあるのでまずは相談だね!

障がい者手帳を持っていない場合は、主治医や自治体の福祉窓口で相談をしてみましょう。

就労移行支援が受けられなくなる場合

就労移行支援はあくまでも仕事を持つことを目標とする方のためのサービスなので、すでにアルバイトなどを含め仕事をしている場合は基本的には利用をすることができません。

就労移行支援事業所に通所しながら、アルバイトなどをすることは例外を除き認められていません。

就労移行支援サービスを受けることができる期間

就労移行支援サービスを受けることができる期間は原則2年です。

トータル2年利用ができるので、就労移行支援事業所を変更することもできます。

就労移行支援サービスに必要な費用

就労移行支援サービスを利用する場合、前年度の世帯収入により自己負担額が異なります。

世帯収入といっても、親の収入は対象にはなりません。

親と同居していても未婚なら自分の所得だけで考えるよ。

結婚をしている場合は配偶者の所得によって費用がかかる場合があるんだね。

区分世帯の収入状況負担上限月額
生活保護生活保護受給世帯0円
低所得市町村民税非課税世帯(注1)0円
一般1市町村民税課税世帯(所得割16万円(注2)未満)※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除きます(注3)9,300円
一般2上記以外37,200円
  • (注1)3人世帯で障害者基礎年金1級受給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります。
  • (注2)収入が概ね600万円以下の世帯が対象になります。
  • (注3)入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、「一般2」となります。

就労移行支援事業所への通所に必要な交通費や昼食は?

就労移行支援事業所へ通所する場合、交通費や通所日の昼食などが必要になります。

交通費は原則として自己負担ですが、一部助成のある自治体もあります。

また、事業所で交通費を助成している場合もあります。

昼食などの食事も基本的には持参をするなどして自己負担となりますが、事業所によっては無料でお弁当の提供をしているところもあります。

交通費・昼食代助成のある就労行支援

就労移行支援と就労継続支援の違いは?

働きたい障がい者のための支援はほかにないの?

就労継続支援A型とB型があるよ!

就労移行支援は一般企業への就職を目指す障害者を対象に学校のように職業訓練などの就職支援を行うサービスでした。

現状では就労が困難な方に訓練をするのが就労移行支援です。

働くことはできる、でも何らかの事情で一般企業への就職が難しい障がい者の方に働く場を提供しているのが就労継続支援です。

就労継続支援は雇用関係が生まれるので、賃金が発生するよ。

就労継続支援にはA型とB型があります。A型、B型ともに利用期間は決められていません。

A型(雇用型)

利用者と雇用契約を結び、時給として都道府県の最低賃金が支払われる

65歳未満

週5日4時間程度の就業が多い

B型(非雇用型)

仕事をした分の工賃が支払われる

雇用契約を結ばないため最低賃金よりも下回ることが多い

65歳未満

週1日程度・1日1時間程度から可能な事業所もあります

就労移行支援と就労継続支援 どちらを選ぶ?

どちらのサービスを利用すべきかは悩ましいところかもしれません。

一般企業での就業が難しい障がい者が働く就労継続支援

就労継続支援では賃金を受け取ることができますが、就業に向けての訓練をじっくりと受けることはできません。

一般企業への就職を目指し訓練を行う就労移行支援

就労移行支援では、就職にむけて訓練を受けることはできますが、その間アルバイトを含め就労ができないため収入面で不安がある場合もありますよね。

自分の利用したい就労移行支援事業所がある場合、相談をすることで何か解決策が出る場合もあります。

迷っているならまず、問い合わせてみましょう。

または相談事業所や自治体の福祉課などに相談してみてもよいでしょう。

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